目標管理制度のマンネリ化を防ごう!
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目標管理制度のマンネリ化を防ごう!

目標管理制度を導入する会社は相当数あるかと思いますが、会社の規模が小さくなるに従いマンネリ化や機能不全に陥っています。ここでは、その原因を解説します。

目標管理制度の意味を本当に分かってる?

目標管理制度は、人事評価の手法で、その効果としては当然に人材育成と業績アップを期待します。
目標管理 → 人事評価 → 人材育成、業績UP
この理屈が会社全体で浸透できれば、目標管理制度上のかなりの問題が解決すると考えられます。

 

そして、これは目標管理制度とは離れるかもしれませんが、目標を決めると、すべてがそこに向けて動き出す、目標を意識することによって、日々の決断のひとつひとつ、行動のひとつひとつが変化します。そこも期待したいです。

目標設定があいまい・不相当な部下

部下の目標達成を適正に評価するためには、ちゃんと評価できる目標が必要です。あいまいな目標では評価をすることができませんので、極端にいえば数値化できるような目標がよいでしょう。
また、ちゃんと達成できる目標が必要です。不相当に高い目的を設定しても、適正で公平な評価をすることができませんので、高い目標を掲げることは立派ですが、その期間に実現可能な目標がよいでしょう。
なお、部下に目標を達成してもらって、会社の業績を上げるのが評価制度の真の目的であることを部下も理解することも重要で、目標に届きそうもなければ上司も目標達成のための指導や支援をする必要があります。ダメな評価をして部下の給与を下げても、会社にメリットはないのです。

人事評価に無頓着な上司

人材育成と会社の業績アップが評価制度の真の目的です。適正な目標を一緒に考えて、それでも目標が達成できそうにない部下は、評価時まで放っておかず、指導して目標達成に導くことが重要です。皆が目標達成しないと人材育成にならない。
また、1人の給与を下げてモチベーション低下が全体に万永するより、皆が昇給したコストアップのほうがマシです。それでも目標達成しなかったら次回達成できるよう教え、その際も実現可能なコメントが必要です。『もっとやる気を出すように』とか『自覚を持つように』などコメントされても本人は何から手を付けたらいいか分からずフィードバックできないでしょう。

会社の方針 〜目標を管理する〜

会社目標が部課目標、個人目標に降りていくのが目標管理制度の理論です。経営理論と会社目標は異なります。『地域社会貢献する!』というのは、ここでは目標ではなく理念です。これからスタート(部課や個人に下ろしていく)するのは、かなり無理があります。
会社目標は、ある時々で変わって当然です。会社目標が不変ならば個人目標も不変になって当然です。そうなると目標設定のマンネリ化、評価のマンネリ化、最後は評価制度自体が邪魔な存在になります。

 

上司が『君の目標はいつも同じだね』と部下を揶揄してみても、部下は『会社目標が変わらないので。』、上司は返す言葉もありません。
また、部課目標で『ミスなく、クレームなく、利益向上、作業者間のコミュニケーションを良好に!』など完璧な目標も評価制度の中では長続きしません。
『この半年は、なんとしてでも工期を守ろう!』とか、ちょっと手待ちの期間であれば、『この半年は、なにかひとつずつ効率化しよう!』、『残業時間を20%減らそう!』など特化しないと、目標設定できませんよね。

 

会社には、@目標を動かすこと、A目標で従業員を刺激すること、が望まれます。

あとがき

目標管理制度は伝統的で有効なツールです。当然に評価する者の人件費増大など会社の負担は大きくなりますが、導入する以上、ぜひ上手に運用して、会社の業績アップに結びつけてください。